多くの人にとって「不動産」は一生に一度売買するかどうかわからない、とても大切な資産です。

しかし、不動産の売却には専門的な知識が必要なため、大切な不動産を売却した後で「こんなはずではなかった」と後悔する人が多くいます。

不動産売買で失敗しないために、また後悔しない売却のポイントを数回に分けてお伝えしていきたいと思います。

不動産を売却するときには、まず不動産会社に依頼して物件がいくらで売れるかを査定してもらうことになります。

では査定はなぜ必要なのでしょうか？今回は査定についてみていきましょう。

｜そもそも査定が必要な理由とは

不動産売却時に査定を利用することによって、不動産の適切な価格を把握ができ、信頼できる販売依頼先の不動産会社を見つけることに繋がります。

ここで注意が必要なのは、相場よりもあきらかに高い価格で売り出した場合、買い手が見つからずに売れなくて結局大幅の値引きをしての売却になるケースが多いということです。売主様が一番困ってしまうケースです。

物件を探している方々はいつもポータルサイトをみています。

相場より高値の不動産には目が行かず、相場よりも安値の不動産や値引きが始まった不動産については、関心をもってみています。逆に相場よりも安く売り出すと、早期で売却はできますが売主様が本来の相場の金額との差額分を損することなります。

そのため、自身の不動産の正確な相場を知り、「いくらなら売れるのか」を把握する必要がり、その手段として不動産の査定が必要となります。

｜何故査定は無料なのか？

不動産会社による査定は基本的に無料です。

査定をお願いしたからといって、査定を依頼した不動産会社と必ず契約（媒介契約と言います）を結ぶ必要はありません。

どこの不動産会社もそうなので、査定を無料で行っていることについて疑問を感じないかもしれません。

なぜ、不動産の査定は無料なのかと言うと、不動産会社は売主様と媒介契約（売却の依頼）を結び、買い手が見つかり契約となると、仲介手数料を受け取ることが出来ます。この手数料を見込んでいるので査定を無料で行うことが出来るのです。

逆に言うと、売主様は売買契約が成立しない限り不動産会社に手数料を払う必要はありません。仲介手数料は成功報酬とも言えます。

｜査定方法の種類

不動産の査定には大きく分けて「机上査定」と「訪問査定」の2種類があります。

机上査定は実際に建物内を見ることなく、事前に入手できるデータ範囲の情報で行う査定です。簡易査定とも言われています。一般的に、不動産の査定価格は、所在地の面積や築年数、周辺の事例や過去の成約事例などを基に算出します。簡単に査定金額を知れる反面、実際の取引価格との差異が生じてしまうがあるのがデメリットです。売却を検討するに際して、大まかな目安を知りたいという方にとってはおススメです。

一方で、訪問査定は、実際に不動産の中に入って建物の傷み具合やメンテナンスの状態を考慮し、土地の形状等それぞれの特性をしっかり把握した上で査定額を出すので、より正確な価格を知ることができます。
 

｜不動産の査定価格が異なる理由

不動産の価格は家電や車とは違います。当然定価というものがあるわけでもありません。査定価格を導き出す算出方法がより細かいため、たとえ同じ町内でも建物の状況、土地の形状や面積、方位や周囲の環境によって大きく価格が変わることがあります。

また、不動産の価格は取引時期によっても相場が異なるため同じ土地や建物であっても査定額が常に同じになるとは限りません。