農地を売却するには?~方法と費用~

農地を売却するには?~方法と費用~

近年、農業従事者の高齢化や新規就農者の減少により、農作物を育てないまま放置されている休耕地や耕作放棄地が増加しています。
また、「農家だが後継ぎがいない」「農地を相続したが用途がない」などの理由から、農地の売却を検討する方も増えているようです。

今回は、農地を売却する方法や費用、なぜ農地は売却しづらいと言われるのかお話ししたいと思います。

 

|農地の売却がむずかしい理由

農地が売却しづらいと言われるのは、農地法による制限があるためです。
日本の食料自給率は約40%弱と低く、国土面積が小さいうえに、そのほとんどが山間部であるため、良質な農地の確保が重要視されています。
良質な農地を保全し、食料自給率の維持・向上を目的とする農地法では、農地の用途は耕作に限定しています。
農家が自身の保有する農地を自由に売却することは認められておらず、原則として農地は農家(法人含む)以外には売れません。
もし農家以外へ農地を売却する場合は、地目の変更(転用)が必要で、所轄の農業委員会(もしくは都道府県知事)の審査を受け、許可をもらわなければなりません。

 

|農地を売却する方法

◇農地を転用せずに売却する場合

売却先が農家や農業生産法人に限定されること以外にも条件が課されます。
たとえば、買主が農地を50アール以上所有し、所有する農地のすべてで耕作すること、また継続的に農業がおこなわれる見通しで、それに適した機材や人材が確保されていること、というものです。
転用せずに売却する場合は、購入希望者を探し売買契約を締結し、その後に売買許可申請の提出と所有権移転請求権の仮登記を申請、許可されたら本登記と代金精算をおこないます。
 

◇農地を転用し売却する場合

用途や買主の条件が不要ですが、代わりに農業委員会の許可が必要です。
農業委員会からの許可は、立地基準一般基準をもとにした基準審査を経てから可否が決定されます。
立地基準は農地の区分で転用の可否を決める基準のことで、農地を転用してもその地域の農業に支障がないかみるもので、以下の5つに分けられます。

・農用地区域内農地

農業利用が原則であり、開発行為が制限されている あり(転用は原則不可)

・甲種農地

市街化調整区域内にある農業公共投資の対象となった8年以内の優良農地           あり(転用は原則不可)

・第1種農地

農業公共投資(土地改良事業)の対象となった土地        あり(転用は原則不可・公共事業で転用の必要がある場合のみ可)

・第2種農地

将来的に都市化する可能性のある農地・公共投資の対象となっていない小規模農地           一部あり(転用は他の土地が転用できない場合許可)

・第3種農地

生産性の高い集団的農地区域内の農地           なし(転用は原則可能)
こうして見ると、第2種・第3種農地以外は個人の所有者が転用申請をするのはほぼ不可能と言って良いでしょう。

まずは自分の農地が5種類のうちどれに当てはまるかを農業委員会(各自治体に属する)に問い合わせてみましょう。

 

一般基準は農地をどのような用途に転用するかの申請に対する審査基準で、転用後に土地を効率的に利用できるか・周辺の農地に影響はないか、というものをみます。

一般基準はまず転用後の目的に対する実現性が見られます。

そのため、転用申請をする前にさまざまなリスクを考慮する必要があるというわけです。

転用して売却する場合は、購入希望者を探し売買契約を締結し、農業委員会と協議後に転用許可の申請と所有権移転請求権の仮登記を申請し、上記の許可が出たら本登記と代金精算をおこないます。

 

|農地を売却する時の注意点

◇農地のまま売ると価格が低くなりやすい

農地を農地のまま売却してしまうと、農業などを営んでいる人以外からは需要がありません。

そのため自然と売却価格が低くなってしまいます。

また、農地を農地として売却する際は専属の農業従事者である・50ha以上所有している等の条件があり、簡単には手が出しにくくなってしまいます。

農地以外にも利用できるように転用を行ってから売却することで価格が低くなることなく売却をすることが可能です。

 

◇周辺環境の整備が必要な場合がある

農地の場合は問題が無かった土地でも、転用して宅地などでも利用できるようにするためには、農地と道が繋がっているようにしなければなりません。

農地のある場所によっては、農地周りの周辺環境を整備する必要があります。

道路を整備するためには、費用と時間がかかってしまうので、依頼者の努力だけで短期間で周辺環境整備が出来るわけではありません。

また、周辺環境を整備する際は建築基準法に準ずる条件を満たす必要があるので建築士などの専門的な知識を有する人の助言を求める必要があります。

 

◇転用した後はすぐに売却しなければいけない

農地を転用後に一時的に利用してその後売却するというのは認められていないため、転用後はすぐに農地を売却する必要があります。

農地を転用した後に売却するためにも、スケジュール調整等を行いながら売却をしなければなりません。

個人でスケジュールの調整と転用を行うのは、難しいため一括査定などを利用して農地の買取などを何度も行っているプロに任せるようにしましょう。

 

|農地売却にかかる費用

農地を売却するときには、印紙税登録免許税所得税住民税などの税金が発生しますが、農地を転用せずに売却する場合は適用要件に該当すれば特別控除が受けれるので、あらかじめ確認しておくと良いでしょう。
また、農地の売却は不動産会社に仲介を依頼するのが一般的であり、よって仲介手数料が必要です。
さらに、農地を転用して売却する場合には転用申請を行政書士に依頼するため、行政書士への報酬費用も必要となります。

 

農地を転用せずに売却する場合は売却先がかなり限定されてしまいますし、転用して売却する場合も、普通の土地の売却時以上に、手続きが煩雑になったり、制約があったりします。

農地の売却についてお悩みでしたら、まずは信頼できる不動産会社に相談するといいでしょう。

 

 

農地はそのままでは不動産としての価値が生みづらいので、

転用を先に行っておくと、スムーズに売却をすることが出来ます。

転用できる農地かどうか無料でお調べすることもできます。

所有されている農地についてお困りでしたらぜひ「結不動産」にご相談ください。

 

 

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