【熊本市編】親が認知症になっても相続前・相続後の実家を売却した事例

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不動産の売却を考えたとき、不動産会社に求めたいことは早く高く売却することです。

しかし、相続した不動産の売却では売却力だけを頼りに不動産会社を選ぶことは避けたいところです。なぜなら、相続が絡む不動産の売却にはさまざまな方法があるため、相続に関する知識が問題解決には必要とされるからです。

今回は特殊な方法を用いて不動産の売却を実現した事例をご紹介いたします。ぜひ相続問題の解決と不動産売却実現の参考にされてください。

【熊本市編】親が認知症になっても相続前・相続後の実家を売却した事例

これより、熊本市内で相続不動産の売却に成功した事例を紹介します。ご紹介する事例は実例をもとにしたものですが、特定を避けるため一部を改変しております。

1.熊本市にお住まいのK様が「父親の認知症が悪化する前に、生前贈与を使って相続前の実家を売却した事例」

1.熊本市にお住まいのK様が「父親の認知症が悪化する前に、生前贈与を使って相続前の実家を売却した事例」

相続においては、事前の対策が奏功することもあります。ここでは、生前贈与を活用した不動産の売却事例を紹介します。

お客様の相談内容

K様が相続した不動産の概要とプロフィールは以下のとおりです。

売却物件 概要

K様が売却したい不動産の概要は以下のとおりです。

所在地 熊本市西区花園 種別 一戸建て
建物面積 115㎡ 土地面積 200㎡
築年数 51年 成約価格 700万円
間取り 3DK - -
相談にいらしたお客様のプロフィール

熊本市在住の50代のK様は、熊本市内で一人暮らしをしているお父様に認知症の兆候が見られるため、今後症状が悪化した場合に介護施設への入所を検討しています。入所が決まった際には、ご実家を売却して、その売却益を介護施設の支払いに充てる予定です。

解決したいトラブル・課題

今回のケースでは、通常の相続による不動産売買と以下の点で着目すべき点があります。

  • 相続発生前に現金化する必要性があること
  • 所有者であるお父様に認知症の兆候があること

上記を踏まえ、ご要望は「いつでも父親名義の実家を売却する準備を整え、父親の認知症が悪化した際は売却を実施。売却代金を施設への費用に充てられるよう準備しておきたい」と言い換えることができます。

相談する不動産会社の探し方・選び方

相続発生前に不動産を売却する際には、信頼性と実績のある不動産会社を選ぶことが重要です。地域での評判や過去の取引実績、口コミを確認し、相続や贈与に詳しい専門知識を持つ会社を選びましょう。

不動産会社を選択する方法は、複数の会社に査定を依頼して価格や条件を比較し、対応の迅速さや丁寧さも判断の目安にすることができます。契約内容や手数料を事前に確認し、納得できる会社を選ぶことで、要望にかなう不動産の売却戦略を立案・実行してくれるでしょう。

K様の「トラブル・課題」の解決方法

このケースではすでに所有者であるお父様に認知症の兆候が表れている点がポイントです。認知症が発症してしまうと所有する不動産の売却が困難であるため、早期の売却準備が求められます。今回は「売却できる準備をしておく」ことが理想です。

さまざまな方法が考えられますが、このケースでは生前贈与の活用が望ましいと考えられます。

生前贈与で実家を相続する手順

生前贈与制度を利用して不動産を売却する手順を解説します。これらの手続きは自分で進めることも可能ですが、実績のある不動産会社にサポートしてもらい二人三脚で進めるのがよいでしょう。

1. 生前贈与契約 贈与契約は、贈与者(財産を与える人)と受贈者(財産を受け取る人)の間で締結される契約です。贈与者と受贈者間で贈与契約の概要を取り決めておくことが重要です。なお、贈与契約は贈与者の「あげる」という意思表示だけでは成立せず、受贈者の「もらいます」という意思表示も必要になることを覚えておきましょう。
2.(根)抵当権など不利益な負担を確認しておく 住宅ローンで設定された抵当権などの不利益な権利の有無も確認しておくことが重要です。なぜなら、実際に不動産を売却するときには、抵当権や根抵当権は抹消することが必要だからです。抵当権や根抵当権の抹消とは、残債を全額返済することを意味します。売却戦略にも影響を及ぼしますので、抵当権の有無や残債の状況は必ず贈与前に確認しておきましょう。
3. 贈与契約書の作成と締結

取り決めた贈与契約の概要に基づき、贈与契約書を作成し締結します。
贈与契約書の内容には、以下のような事項を含めておくとよいでしょう。

  • 当事者目録:贈与者と受贈者の住所氏名など
  • 贈与の目的物:贈与する不動産の詳細など
  • 贈与の時期:贈与する日
  • 贈与の条件:贈与に関する条件があるときの停止条件や解除条件など
  • 署名・押印:贈与者と受贈者の署名および押印
4. 登記名義人の変更を行う 贈与契約書を締結したら、登記名義人の変更を行います。不動産の所在地を管轄する登記所で手続きを行いましょう。自分でもできる手続きですが、忙しかったり不明点が多かったりする場合は司法書士に依頼しましょう。
2.結果

K様は信頼できる不動産会社と出会うことができ、生前贈与の手続きを問題なく完了させることができました。その後、認知症が完全に発症する前に準備をしておこうという話になり、不動産を売却。元気なうちから療養施設に入られることを選択されたとのことです。

2.熊本市にお住まいのT様が、「父親が認知症になったので、家族信託制度を使って相続前の実家を売却した事例」

2.熊本市にお住まいのT様が、「父親が認知症になったので、家族信託制度を使って相続前の実家を売却した事例」

次にご紹介するのは、お父様が認知症になってから不動産売却を実現させたT様の事例です。昨今、同じようなお悩みを抱えている人も多いため、参考になる事例です。

お客様の相談内容

T様が売却したい不動産の概要とプロフィールは以下のとおりです。

売却物件 概要

売却したい不動産の概要は以下のとおりです。

所在地 熊本市東区水源 種別 一戸建て
建物面積 105㎡ 土地面積 140㎡
築年数 43年 成約価格 1,400万円
間取り 4LDK - -
相談にいらしたお客様のプロフィール

熊本市在住の40代のT様は、お母様が施設に入所中で、お父様が自宅で一人暮らしをしています。お父様に認知症の症状が見られるため、将来的に施設入所を検討していますが、T様と5歳離れた弟には高額な施設費用を毎月支払う余裕がありません。そこで、お父様が施設に入所する際には、自宅を売却してその費用に充てることを考えています。

解決したいトラブル・課題

T様にとって解決すべき内容は、お父様の認知症発症前に不動産を売却し現金化することです。お父様の病状の進行は不透明であるほか、不動産売却以外の資金調達方法がないため、第三者の介入などにより時間や費用がかかる方法を選択することは避けたいところです。

相談する不動産会社の探し方・選び方

T様の課題を解決できる不動産会社には、相続知識や士業との連携が充実していることが求められます。そのため、地域の不動産会社のホームページをくまなく探し、同様の事例で解決実績がある会社を選びました。

T様の「トラブル・課題」の解決方法

T様が抱える課題を解決するためには、早期の不動産売却が必要であると考えられます。また、ご子息たちには金銭的援助をする余裕はありません。これらの事情を鑑み、自分たちでお父様のために不動産を処分することができる家族信託制度を活用して不動産を売却することで、課題が解決できると考えました。

1. 家族信託のメリットとデメリット

家族信託制度は、高齢者や障害者の財産管理や相続対策に有効な手法ですが、そのメリットとデメリットを理解することが重要です。以下に主なメリットとデメリットを示します。

【家族信託制度のメリット】

・柔軟な財産管理ができる 信託契約により、信託財産の運用方法や受益者の権利などを詳細に定めることができ、柔軟な財産管理が可能です。さらに、成年後見制度と比較したとき、家庭裁判所や後見人などの第三者を介入させないため、意思決定もスムーズです。
・認知症の事前対策として有効である 財産の所有者(委託者)が認知症などで判断能力が低下した場合でも、信託受託者が信託契約に基づいて財産を管理・運用できるため、成年後見制度の利用を避けることができます。よって、相続税対策にもメリットがあるといえます。
・独立した個別の財産として管理できる 信託財産は受託者の固有財産とは別に管理されるため、受託者の個人的な債務や破産から信託財産を守ることができます。受託者が破産したときであっても信託財産は影響を受けない点は安心材料です。

【家族信託のデメリット】

・委託者の意思表示が明確でないと利用できない 家族信託制度の利用には委託者の意思表示が明確であることが条件です。そのため、認知症など委託者がクリアに意思表示できなくなったときは、家族信託制度を利用することができません。予防的措置としての制度であることを理解しましょう。
・受託者を見つけないといけない 財産管理の受託には大きな負担がかかるものです。そのため、いくら家族であっても受託者が見つからないことがあります。
・相続税の節税効果はない 家族信託制度に相続税の節税効果はありません。なぜなら、「意思表示が困難になったとき」に「意思表示が困難になった人のため」に財産管理を行うことが原理原則であり、財産権自体は委託者に留まっているからです。
2.結果

T様は家族信託制度を利用して、お父様の不動産をそのご意思に基づいて売却することができました。

3.熊本市にお住まいのY様が「相続人に認知症の母親がいたので、成年後見制度を使って実家を売却した事例」

3.熊本市にお住まいのY様が「相続人に認知症の母親がいたので、成年後見制度を使って実家を売却した事例」

最後にご紹介するのは、すでに認知症が発症しているお母様の不動産を売却した事例です。

お客様の相談内容

Y様たちが相続する不動産の概要とプロフィールは以下のとおりです。

売却物件 概要

相続する不動産の概要は以下のとおりです。

所在地 熊本市北区高平 種別 一戸建て
建物面積 95㎡ 土地面積 200㎡
築年数 49年 成約価格 600万円
間取り 4DK - -
相談にいらしたお客様のプロフィール

熊本市在住の50代のY様は、お父様の遺産であるご実家や金融資産を認知症で施設入所中のお母様と兄弟二人で相続することになりました。遺言書がなく、相続手続きの進め方が分からないため、今後住む予定のないご実家を売却したいと考えています。

解決したいトラブル・課題

父親の資産を母親と兄弟二人で相続予定だが、認知症の相続人がいるため手続きを明確にすることと、熊本市の実家を売却することが課題です。

相談する不動産会社の探し方・選び方

Y様の課題を解決できる不動産会社は、信頼性、売却実績、相続問題への造詣、士業との連携や法制度の熟知など、多岐にわたるプロフェッショナル性を有していることが必要です。

ホームページでの実績事例紹介や相続に関するコラムの記載など、専門性の有無を重視して不動産会社を検索することで、課題を解決できる不動産会社に出会うことができます。

Y様たちの「トラブル・課題」の解決方法

Y様の課題における大きな問題点は、お母様がすでに認知症を発症していることです。そのため、選択肢は成年後見制度のみということができます。

1.成年後見制度のメリット・デメリット

成年後見制度は、認知症などで判断能力が不十分な人の財産管理や生活支援を行うための制度です。成年後見制度のメリットとデメリットは以下のとおりです。

【成年後見制度のメリット】

1. 財産が法的に保護される 成年後見人が選任されることで、判断能力が不十分な本人の財産や権利を法的に保護できます。成年後見人が本人の代わりに契約や手続きを行うことで、不正や詐欺から財産を守ることができます。
2. 身上監護(生活面の支援)ができる 財産管理だけでなく、生活全般の支援も行います。例えば、介護サービスの利用契約や医療機関との連携など、本人の生活を支えるための幅広い支援が可能です。
3. 財産管理の適正化 家庭裁判所のもとで財産を管理されるため、属人的な判断が働きません。信頼性の高い財産管理ができる点がメリットです。

【成年後見制度のデメリット】

1. 手続きが難しいこと 成年後見人の選任には家庭裁判所への申立てが必要であり、手続きが複雑です。また、申立てには専門家の助言や支援が必要な場合が多く、費用と時間がかかります。
2. 選任後も継続して費用がかかる 成年後見人の選任や報酬に対して費用が発生します。特に専門職(弁護士や司法書士)が成年後見人になる場合、報酬が高額になることがあります。
3. 本人の意思が反映されづらい 判断能力や意思表示が不十分なため、本人の意向を完全に反映することが難しい場合があります。成年後見人が本人の最善の利益を考えて行動する必要があるものの、本人の希望と一致しない場合もあることには留意すべきです。
2.結果

Y様は、成年後見制度を利用して、無事に不動産の売却をすることができました。売却にあたっては不動産会社のサポートと査定が奏功し、売却活動後は早期に売却。かかる費用も最小限に抑えられたとお喜びでした。

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