【熊本市編】扱いにくい物件を円滑に売買取引した事例

  • HOME
  • 【熊本市編】扱いにくい物件を円滑に売買取引した事例
【熊本市編】扱いにくい物件を円滑に売買取引した事例

どのようなものにも「難易度」があり、不動産においても、取り扱いにくい物件がございます。
もしも自分が相続した不動産が売却難易度の高い、いわば「扱いにくい」不動産なら、売却をあきらめてしまいかもしれません。

しかし、今回は「扱いにくい不動産」や「困難な状況」を乗り越え、円滑に売却した事例を紹介します。売却をあきらめている人や相続問題でお悩みの人に役立つ事例になっていますので、ぜひ参考にされてください。

今回ご紹介する長期空き家の売却事例は以下のようなものです。

  • 相続した実家を高額売却した事例
  • 住宅ローンが残った状態で相続した不動産を売却した事例
  • プラスとマイナスの遺産を相続した事例

扱いにくい不動産とは言いつつ、誰にでも起こりうる身近な事案ばかりですので、ぜひ最後までお読みください。なお、事例は特定を避けるため部分的に加工を施しています。

1.鹿児島県にお住まいのC様が「熊本市で相続した実家を、相場よりも高く売却できた事例」

1.鹿児島県にお住まいのC様が「熊本市で相続した実家を、相場よりも高く売却できた事例」

相続財産が分割可能なものであれば、半分ずつに分ければトラブルは起こりません。しかし、相続財産が分割不可能な不動産であるときは、公平な分割の方法として売却して現金化することが理想です。
この事例では、必要のない実家を相続したとき高値売却を勝ち取るヒントを知ることができます。

お客様の相談内容

C様が相続した不動産の概要とプロフィールは以下のとおりです。

売却物件 概要

C様が売却したい不動産の概要は以下のとおりです。

所在地 熊本市東区戸島 種別 一戸建て
建物面積 120㎡ 土地面積 160㎡
築年数 48年 成約価格 800万円
間取り 地目 宅地
相談にいらしたお客様のプロフィール

C様(50代、鹿児島在住)は、熊本の実家で一人暮らしをしていたお母様を亡くされました。ご兄弟で実家を相続することになりましたが、どちらも県外に家があるため実家を必要としていません。
そのため、実家を売却し、その売却代金を均等に分割したいと考えています。

解決したいトラブル・課題

C様の要望は売却による財産の均等な分割です。

実際に売却を考えてみると、実家のある東区戸島は熊本インターも近く繁華性も高いため、高値で売却も可能なエリアではないかと予想されます。しかし、築後48年を経過しているため、建物の安全性には疑問を持っていました。高値の売却と安心安全な取引を実現するためには、建物価値を正しく評価することがC様の解決策といえそうです。

相談する不動産会社の探し方・選び方

C様の課題を解決できる不動産会社は、ホームインスペクションの事例を有する会社がマッチしそうです。以下のような特徴を持つ会社が適していると考えられます。

・ホームインスペクションの実績を多数有している 豊富なホームインスペクションの実績があり、そのノウハウをホームページなどで公開している不動産会社は、的確なアドバイスが期待できます。
・複数のインスペクション業者との取引実績がある インスペクション業者によっても、調査項目や調査範囲、さらには費用も大きく異なります。そのため、建物の状況に合わせたインスペクション業者を紹介してもらうためにも、複数のインスペクション業者との取引実績はチェックしておきたいところです。
・専門性が高い 不動産の調査はインスペクション業者が行いますが、不動産会社の営業担当者も建築などの知識を有していることが重要です。的確な目利きと建築知識があってこそ、高値売却が実現するからです。

C様の「トラブル・課題」の解決方法

C様は不動産を現金化してご兄弟で半分ずつに分けることにするため、不動産を売却することで課題は解決できそうです。しかし、高値での売却や売却後のクレームを回避するためにも、インスペクションが欠かせないと判断するに至りました。

1.ホームインスペクションとは?

ホームインスペクションとは、住宅の状態を専門家が詳しく診断するサービスです。いわば、家の「健康診断」のようなもので、建物の劣化や不具合などを調べ、その結果を報告書にまとめます。

インスペクションを行う目的は、住宅購入・売却・リフォーム前に建物の状態を客観的に把握することで、トラブルを未然に防ぐことです。また、中古住宅であってもまだまだ活用可能な住宅ストックを流通させることが可能であるため、空き家問題の解決策としても注目されています。

2.ホームインスペクションのメリットとデメリット

ホームインスペクションにはメリットとデメリットがあり、それぞれ以下のようにまとめることができます。

【ホームインスペクションのメリット】

・売主も買主も双方が安心して取引を行うことができる 建物の現状を正しく把握することで、安心できる住宅取引が実現します。
不動産の売買においては目に見えない部分に劣化があってもなかなか気づくことができないため、事前調査で多くの情報を提供・提示されることは、双方にとって大きなメリットといえるでしょう。
・トラブルを防ぐことができる 隠れた欠陥を発見し、取引後に発生するトラブルを未然に防ぐことができます。
不動産の現状を売主と買主の双方が把握したうえで取引を行うことで、契約不適合責任を争点としたトラブルに発展する可能性は激減するでしょう。
・適切な価格設定ができる 不動産の価格設定をより精密に算出することが可能です。
一般的に取引事例や販売事例から価格は算出されます。しかし、ホームインスペクションに基づく客観的な建物評価が存在することで、劣化や痛みが少ない不動産においては事例以上の価値があることの証明になるからです。

【ホームインスペクションのデメリット】

・インスペクションには費用がかかる インスペクションは無償ではありませんので、費用がかかることがデメリットといえます。
しかし、費用は一般的に10万円前後とされており、不動産を安心して取引するためのコストと考えればそこまで過大なものではありません。
・すべての欠陥が可視化できるわけではない インスペクションは有力な現状把握の方法ですが、万全ではありません。
そのため、すべての欠陥を100パーセント把握できるわけではないことには注意しておくべきです。
・瑕疵によっては取引でマイナスに作用することもある インスペクションの結果によっては、取引に不都合が生じることもあるでしょう。
・隠れたる瑕疵が発見され、補修に費用が発生することがわかった
・瑕疵の補修が売主では困難であるため、売却価額を下げざるを得なくなる

出典:国土交通省「建物状況調査(インスペクション) 活用の手引き」

ホームインスペクションは、住宅取引で売主と買主双方にとっての多くのメリットがあります。不動産の現況を正確に把握することで、売買に関するトラブルを未然に防ぐことにつながるでしょう。さらに、インスペクション後の保険加入によって、経済的なリスクを軽減することも可能です。
住宅の品質確保に貢献し、安心・安全な住環境の実現を後押しする社会的な役割も担っているため、今後その利用頻度は増加していくと想定されます。

3.「結果」

C様はホームインスペクションを利用して実家を調査することにしました。
調査の結果、基礎はまだまだ活用できそうですが、2階の掃き出し窓上部に浸水の疑いがあることがわかりました。幸い、部分的なコーキングで安価に対応ができる箇所であったため補修を実施し、築年数よりも高額な価格での売却が実現。C様ご兄弟は想定以上の結果に満足されていたとのことです。

2.大阪府にお住まいのU様が、「熊本市のローンが残るマンションを相続して売却に成功した事例」

2.大阪府にお住まいのU様が、「熊本市のローンが残るマンションを相続して売却に成功した事例」

次にご紹介するのは、住宅ローンがまだ残っているマンションの売却事例です。

お客様の相談内容

U様が売却したい不動産の概要とプロフィールは以下のとおりです。

売却物件 概要

売却したい不動産の概要は以下のとおりです。

所在地 熊本市西区春日 種別 マンション
建物面積 90㎡ 土地面積
築年数 23年 成約価格 1,500万円
間取り 2LDK その他
相談にいらしたお客様のプロフィール

大阪府にお住まいのU様は、お父様がお亡くなりになり、熊本市内のマンションを相続することになりました。このマンションは、お父様が15年前に購入されたもので、現在も住宅ローンの返済が続いている状態です。

解決したいトラブル・課題

U様が解決したいことは、「住宅ローンが残っているマンションの売却」です。
プロフィールにあるとおり、U様は大阪にお住まいで、熊本にあるこのマンションを利用する予定はないからです。

相談する不動産会社の探し方・選び方

U様の課題を解決できる不動産会社の特徴は以下のようなものです。

・地域に根差した不動産会社 大阪にお住まいのU様が、不動産売却のため何度も熊本を訪れるのは現実的ではありません。そのため、遠隔で対応してくれる業者となれば、熊本に根差した不動産会社であることは必然といえそうです。
・住宅ローンに詳しい不動産会社 住宅ローンは住宅の購入や販売について回るものです。そのため、不動産知識のみならず金融の情勢や住宅ローン商品に詳しい不動産会社が望ましいと考えられます。

U様の「トラブル・課題」の解決方法

U様の課題解決には売却しか選択肢はありませんが、住宅ローンが残っている点はデメリットだとU様はお考えでした。しかし、不動産会社との相談によれば住宅ローン問題が解決する可能性を見出すことができました。

それが、「団体信用生命保険」です。団体信用生命保険に加入していれば、住宅ローンの残債がなくなるかもしれないことがわかったのです。

1.団体信用生命保険とは

団体信用生命保険とは、住宅ローンと一緒に加入する保険の一つです。住宅ローンを契約している人が、死亡したり高度障害状態になったりしたとき、残りのローン残高が0円になるという制度です。

団体信用生命保険の商品力が住宅ローンの優劣を左右するとも言われています。そのため、団体信用生命保険の内容は拡充される傾向にあり、死亡や高度障害時のみならず、「がん」と診断されれば残債が0円になる商品が主流です。

融資を実行する金融機関から見ても回収の実現性が高くなるため、ほとんどの金融機関では住宅ローンと団体信用生命保険はワンセットでの加入が一般的です。

2.団体信用生命保険でローンを完済する流れ

住宅ローンの契約者が死亡し、団体信用生命保険を活用するには以下の手続きが必要です。

  • ① 住宅ローンを利用している金融機関へ連絡する
  • ② 金融機関指定の書類を提出する
  • ③ 保険会社による適用可否の審査
  • ④ 抵当権抹消登記や所有権移転登記を行う

死亡であれば団体信用生命保険の適用はほぼ間違いありません。しかし、以下のような状況であれば団体信用生命保険の適用ができない、もしくは残債が全額なくならないこともあります。

  • 親子リレーローンになっている
  • 夫婦のペアローンになっている
  • 契約時の告知に虚偽があったとき
  • 住宅ローンの支払い遅延などがあり、団体信用生命保険が失効しているとき

これら、住宅ローンおよび団体信用生命保険は難解な一面があります。不動産会社はもちろんのこと、金融機関や司法書士など、専門家と連携し、進めるのがよいでしょう。

3.結果

U様は、ご実家のマンションの売却を検討され、まずは金融機関へお問い合わせいただきました。その結果、ご父様が団体信用生命保険にご加入されていたことが判明、相続手続きがスムーズに進んだだけでなく、残りのローン残高も保険金で清算することができました。

その後、不動産会社のサポートもあり、適正な売却価格を査定。その結果、わずか4ヶ月で売却が完了したそうです。U様は「思っていたよりも早く、そして高い金額で売却できたので、本当に満足しています。」と、大変喜んでいらっしゃいました。

3.東京都にお住まいのK様が、「熊本市の疎遠だった親戚の遺産を相続し限定承認した事例」

3.東京都にお住まいのK様が、「熊本市の疎遠だった親戚の遺産を相続し限定承認した事例」

最後にご紹介するのは、相続する遺産のなかに借金も含まれていたK様の事例です。

お客様の相談内容

K様が相続した不動産の概要とプロフィールは以下のとおりです。

売却物件 概要

相続する不動産の概要は以下のとおりです。

所在地 南区城南町宮地 種別 一戸建て
建物面積 115㎡ 土地面積 200㎡
築年数 43年 成約価格 400万円
相談にいらしたお客様のプロフィール

東京都にお住まいのK様は、疎遠だった伯父様から一戸建てを相続することになりました。しかし、相続財産には、不動産だけでなく、思わぬ借金も含まれており、複雑な状況となっています。

解決したいトラブル・課題

K様が解決したい課題は、プラスとマイナスの遺産を相続することになったため、どうするのがよいか、という具体的な解決策を提示してほしいというものです。

実の両親であればまだしも、疎遠だった親戚の借金を肩代わりすることには抵抗もありつつ、無碍にはできない。K様にとって経済的にも心理的にも負担ない解決策の提示が急務です。

なお、その後の調査によれば、不動産売却査定金額が400万円だったのに対し、借金が500万円あることが判明しました。親戚の財産をすべて相続すると、100万円マイナスになる、という状況です。

相談する不動産会社の探し方・選び方

K様のご要望をかなえることができる不動産会社の特徴は以下のようなものです。

・相続問題に強みがある不動産会社 不動産の取引にはさまざまな問題がつきものであり、相続問題はその最たる部分です。
そのため、相続問題に強みがある不動産会社でないと解決は困難といえるでしょう。
・士業との連携が密な不動産会社 相続問題には専門家の意見が欠かせません。
そのため、司法書士・弁護士・税理士との連携が取れている不動産会社であれば、よりスムーズでワンストップな対応が可能です。

K様の「トラブル・課題」の解決方法

K様が抱える問題を解決するためには、「限定承認」という相続方法の採用が考えられます。
相続においてプラスとマイナスの財産が混在することは珍しくありません。3つある相続方法を理解し、自分の状況に適した相続方法を選択できるようにしておきましょう。

1.3つの相続方法とは

最初に、相続の3つの方法を理解する必要があります。相続の3つの方法とは以下のように整理することが可能です。

① 単純承認

単純承認とは、被相続人(亡くなった人)のすべての財産をそのまま相続する方法です。プラスの財産だけでなく、借金などのマイナスの財産もすべて引き継ぐことになります。

相続財産がプラスの場合には問題ないことが多いですが、借金などのマイナスの財産がプラスの財産を上回っている場合、相続人(相続する人)は個人の財産で借金を返済しなければならなくなる可能性があります。

② 限定承認

限定承認とは、相続財産を相続する一方で、借金などのマイナスの財産については、相続した財産の範囲内でしか責任を負わないという方法です。

相続財産の範囲内で借金を返済し、残った財産を相続することができます。ただし、相続財産をすべて調べて、借金の額を正確に把握する必要があるため、手続きが複雑になる場合があります。

③ 相続放棄 相続放棄とは、相続人となる権利を放棄する方法です。被相続人の財産も、借金も一切相続しません。相続放棄をするときは、家庭裁判所に対して相続放棄の申述を行う必要があります。

今回のK様のケースでは、借金が不動産価格を上回っているため、限定承認もしくは相続放棄のいずれかの選択が妥当であると考えられます。

相続方法の選択は、「亡くなった人の死亡を知ったときから原則として3ヶ月以内」に手続きを行う必要があります。この3ヶ月以内に相続方法を選択しなかったときは、法律上、自動的に「単純承認」をしたとみなされる点にはくれぐれも注意しましょう。

2.相続放棄との違い

K様は限定承認もしくは相続放棄のいずれかの選択が現実的と考えました。
結果的にK様は限定承認を選択することになるのですが、限定承認と相続放棄の違いを深掘りして整理しておきましょう。

項目 相続放棄 限定承認
定義 相続人となる権利を一切放棄すること プラスの財産の範囲内でマイナスの財産を引き継ぐこと
メリット 借金などの負債を一切相続しないため、相続に関与することがなく、煩わしくない プラスの財産を相続しつつ借金のリスクを限定できるため、心理的に無碍にした感覚に陥らない
デメリット プラスの財産をも相続できない 手続きが複雑
注意事項 一度行うと取り消すことが難しいため、プラス財産の将来性などを十分に加味する必要がある 相続財産の精査が煩雑ではあるが、故人の清算を手伝う意味で、財産面ではなく心情面での有用性が高い

これら具体的なメリットとデメリットを比較し、相続方法を決定することが重要です。
なお、相続方法の決定、とりわけ限定承認と相続放棄においては、相続財産の精査が重要な要素であることは言うまでもありません。

3.結果

K様は、疎遠とはいえ世話になった親戚のためと思い、相続放棄ではなく限定承認の方法で相続することにしました。相続財産の内容によっては異なる判断もあったと仰っていますが、K様の人柄が慮られる判断です。

相続した不動産は城南町のなかでも造成された団地内にあり、需要は見込まれましたが、建物の劣化が激しく、個人の買主を検索することが困難でした。そのため、不動産会社は査定額と同額で買い取りを提案し、相続手続きの完了と同時に不動産の売却も実現に至りました。

K様にとっては財産面でプラスにはなりませんでした。しかし、最後に恩返しができたと晴れやかに話をされています。

TOPページへ戻る

【熊本市版】不動産相続マニュアル 基礎知識と流れ・手続きとコツ

【熊本市版】不動産(空き家・実家)売却マニュアル 基礎知識と流れ・手続きとコツ

【熊本市版】相続した実家・空き家のおすすめ活用方法4つ

【熊本市編】相続に関する悩みを解決した事例

【熊本市編】相続した物件を売却・活用した事例

【熊本市編】不動産相続手続きに取り組んだ事例

【熊本市版】不動産会社に一戸建て、土地を買い取ってもらった事例

【熊本市編】相続した物件を売却・活用した事例

【熊本市編】親が認知症になっても相続前・相続後の実家を売却した事例

【熊本市編】相続に関する問題を解決した事例

【熊本市編】相続不動産における税金の問題を解決した事例

【熊本市編】取り扱いが難しい相続不動産でも売却に成功した事例

【熊本市編】「売れにくい築古物件」を売却した事例

【熊本市編】10年以上放置していた空き家を売却できた事例